地域密着型金融の取組み状況(21年4月〜22年3月)

1.ライフサイクルに応じた取引先企業の支援強化


《取組方針》
地域金融機関としての特性を発揮し、地域情報ネットワークの活用と、継続的取引関係を通じ、取引先中小企業の創業から成長段階(ライフサイクル)に応じたきめ細かい支援を行うことで、地域の金融円滑化の役割を担っていく。

(1)創業、新事業への積極的な支援
創業、新分野進出に対しては、地域情報ネットワークを活かし、積極的に対応いたしました。
○新規参入・新分野進出への支援
平成21年度の実績...7件・70百万円

(2)事業及び企業の積極的な再生支援
○貸出条件の変更に積極的かつ柔軟な対応
中小企業金融円滑化対応として、取引先の資金繰り改善を目的として、積極的に対応いたしました。
平成21年度の実績...169件・2,659百万円
 
○鳥取県中小企業再生支援協議会の積極的な活用
21年度当金庫の取引先の再生支援協議会案件は2先であり、再生支援協議会からの改善計画書の提出によって、2先条件緩和を行いました。
○産・官・学・金との情報ネットワークを活用した、地域の取引企業への支援
  • 農商工連携による新産業の創出からの地域活性化、を目的とする「新産業共通基盤会議」に参加するとともに、鳥取大学産学・地域連携推進会議として1名を登録し、積極的に情報交換を行っています。
  • 商工会議所が中心となって運営している産・官・学・金の会「中部元気クラブ」に当金庫役員が中心となって参加し、積極的に情報交換しています。
○再生支援先の経営改善指導
  • 平成21年度は経営支援先30先を定め、うち6先を重点先とし経営改善指導の取組を実施し、経営者とのヒアリングや、営業店長との計画の進捗状況の検討を行いました。
期初債務者数(除く正常先) うち経営改善支援取組み先数 経営改善支援取組み先の内訳 経営改善支援取組み率 ランクアップ率 再生計画策定率
うち期末に債務者区分がランクアップした先数 うち期末に債務者区分が変化しなかった先数 うち再生計画を策定した先
249 28 3 24 27 11.2% 10.7% 96.4%
 

2.事業価値を見極める融資手法をはじめ中小企業に適した資金供給手法の徹底


《取組方針》
定性情報を含めた地域での情報を活かし、取引先の事業価値を見極める、いわゆる「目利き力」を発揮することで、取引先中小企業に対して積極的に資金供給を行っていく。

(1)不動産担保、個人保証に過度に依存しない融資の推進
○スコアリング商品及び売掛債権担保融資の推進とABLの検討
  • ビジネスプライムローンスコアリング商品として、鳥取県信用保証協会、県下3金庫が連携し開発した、統一商品であるビジネスプライムローンを推進しました。
21年度新規取扱件数 5件・26百万円
  • また、売掛債権担保融資として、6件・53百万円を取り扱いました。
○シンジケートローンの組成と参加
  • シンジケートローンの組成、参加実績はありませんでした。
○目利き能力の向上
  • 21年5月16日、融資レベルアップ研修として、「信金業界の中小企業信用リスクデータベース」を活用した研修を33名の出席で実施しました。
  • 21年6月18日、融資レベルアップ研修として、講師に信用保証協会担当者を招き、保証協会との連携強化を目的とした研修を、各部店融資担当者13名の出席で実施しました。
  • 21年7月7日、融資レベルアップ研修として、講師に日本政策金融公庫支店長を招き、部支店長、部長21名の出席で実施しました。
  • 21年8月8日、融資レベルアップ研修として、審査能力養成、企業のランクアップ支援を目的とした研修を、31名の出席で実施しました。
 

3.地域の情報集積を活用した持続可能な地域経済への貢献


《取組方針》
この地域のみが信用金庫の生きる地であり、金融の仲介は当然として、親睦、研修、情報交換、ボランティア等さまざまの面で中心的な役目を果たし、顧客・地域の活力作りに貢献することにより、地域に必要とされる金融機関でありたい。

(1)地域貢献に資するイベント、行事を開催と、地元行事への積極的な参加
  • ドールハウス展文化・芸術の発展と街の賑わい創出に向けて、地元新聞社が主催する著名人による写真、絵画等の展覧会の協賛を継続しています。21年度は5月23日〜7月5日にかけて開催された「ドールハウス展」への協賛を行い、3万人の入場者が観光地を中心とする商店街にも流れ、地域活性化への貢献を行いました。また、平成22年度の当金庫カレンダーは、「ドールハウス展」の出品作を題材として1万2千枚を作成・配布しました。
  • 各営業店で経営者・経営者の奥様、お年寄りの会等の外郭団体がある他、本部の運営による囲碁・ゴルフの同好会等、約1800名の会員がおられます。それぞれ会長以下の役員により情報交換、研修会、親睦会、研修旅行等を、趣向を凝らして活発に運営実施しています。
  • 地域の子供から高齢者までを対象として、年4回「くらしん囲碁大会」を開催しています。21年度も4、7、10、1月に開催し、毎回100人以上のファンが参加されました。特に、第75回の新春囲碁大会は135名の参加者で賑わいました。プロ棋士の指導碁等もあって新規の参加者は増加しています。

(2)ビジネスマッチングの推進
  • 第1回山陰ビジネスフェアー22年3月19日・20日において、第1回山陰ビジネスフェアーを山陰地区6信金合同にて開催しました。当金庫からもお取引先10社が出展され、フェアー開催中に3社と商談成立、その他商談継続先は38社ありました。
  • 大手ビジネスマッチィング企業の主催する、東京ビジネスサミットにお取引先企業の食料品を出展していただき、全国の参加者とのマッチィングを図ったところ、多くの引き合いがありました。